2011年2月の基設計さんのオープンハウスを見に行った時は、あまり建てるつもりはありませんでした。以前から、そのうち建て替えようとは思っていましたが、父に話しても、「俺はここでいい」と言うので「そのうち」はまだまだ先のことになっていたんです。ところが、2011年4月に父が家で倒れて入院したことで、事情は一変しました。2年前の交通事故の後遺症の脳挫傷でした。意識がなくなったときはもうダメかと思いました。幸いにして意識は戻ったのですが、車いすは手放せません。でも、家に連れて帰ろうと思っても、家は階段、段差があって連れて帰れない。“だったら建てる!”と決意したんです。
基設計さんなら自分の思い通りの家が建てられると確信して、全部任せました。基さんは制限のある中、私たちのために粉骨砕身やってくれました。
一級建築士で風水師の資格を持つ所長にみてもらって、父や息子にいい間取りを決めることができました。この家が建ったおかげで父は、なんと車椅子なしで歩けるようになって帰ってきたのです!家に帰れるという思いが回復の後押しをしてくれたのでしょう。“元気が出る家”の存在は大きいです。
特に広いリビングは、父を囲んで隣に越してきた妹一家ともども、出入り自由のオープンスペースになっています。収納がたくさんあるので家具を外に置くことなく、まだ少しフラフラする父の邪魔になりません。トイレや風呂場の廊下の天井には明かり取りがあって、外の光が取り入れられ、とても気持ちよく暮らしています。
バリアフリーのこの家があるから、家族が集まってともに暮らし、お互い助け合えるようになったのです。
いろいろ悩みはあるけど、前を向いて頑張っていこうと思っています。